本日は新居浜のお客様よりiPhone12の水没復旧のご依頼をいただきました。
防水バッグに入れて使用していたそうですが、内部に水が入り込み完全水没状態となってしまったとのことです。
さらに端末は背面ガラス割れがある状態で、そこから浸水が進んでしまった可能性が高い状態でした。
水没端末は時間との勝負になるため、すぐに内部点検を行っていきます。
端末紹介
iPhone12は2020年に発売されたモデルで、A14 Bionicチップを搭載した高性能なスマートフォンです。
5G通信への対応や有機ELディスプレイなど、現在でも十分な性能を持つ人気機種です。
Appleの公式仕様ではIP68等級の耐水性能を備えていますが、これは完全防水ではなく「耐水」性能です。
使用環境や端末の状態によっては、今回のように水が内部へ侵入してしまうケースもあります。
点検結果
端末を分解して内部確認を行ったところ、内部には水分が多数残っている状態でした。
- 内部フレーム各所に水滴
- ネジ部分に赤サビ
- 水没検知シールが真っ赤
水没検知シールは通常白色ですが、水に触れると赤色へ変色します。
今回は完全に赤く変色しており、かなり水が侵入していたことが確認できました。
復旧作業
脱水・乾燥処置
まずは基板やコネクタ部分に残った水分を除去するため、脱水・乾燥処置を行います。
水分を残したまま通電させるとショートや腐食の原因になるため、この工程は非常に重要です。
パーツ交換
乾燥処置の後、画面とバッテリーを交換して起動確認を行いました。
すると一度は起動したものの、すぐに再起動ループが発生。
ログを確認すると
「Prs0センサー欠落」のエラーが確認されました。
これは充電コネクタ部分にある気圧センサーの異常で、水没による故障が原因と考えられます。
仮パーツ交換
充電コネクタを仮交換して再度起動確認を実施。
すると端末がなんとか起動状態を維持できたため、すぐにiTunesバックアップを開始しました。
バックアップ作業
バックアップ途中でAOP panicなど基板修理必須なエラーが発生する不安定な状態でしたが、
なんとかバックアップを完遂。
しかしバックアップ完了直後、端末は完全に沈黙。
まさにギリギリのタイミングで基板修理ナシのデータ救出に成功したケースでした。
重要:スマホの防水について
スマホは「防水」ではありません。
正しくは耐水です。
スマートフォンの防水構造は、
画面や背面パネルを接着剤で密閉しているだけの構造です。
ダイビング機材や防水カメラのように
ゴムパッキン+ネジ固定で耐圧防水かつ何度も水没させる構造をしているわけではありません。
つまりスマホの耐水性能は
水没運用を前提としたものではなく、あくまで緊急時の保護機能です。
さらに今回のように
- 画面割れ
- 背面割れ
- 経年劣化
こういった状態があると耐水性能は大きく低下します。
防水バッグを使用していても、完全に水没を防げるとは限りません。
水辺で使用する場合は特に注意し、
防水ケースなどの併用をおすすめします。











